根管治療

根管治療について

虫歯になったのに放置して、痛みを我慢してごまかしながら長らく付き合っていると、そのうちいつの間にか痛みが消えていることがあります。治ったわけではありません。この場合、歯の根っこの先まで病気が進んでしまっている可能性があります。
この歯の根っこまで進行してしまった虫歯を治すには、おおもとである虫歯をきちんと取り除くとともに、腐ってしまった歯髄を綺麗に取り除き、薬を入れて、歯の中を細菌のいない清潔な環境へと治療を行います。この治療を根管治療と呼びます。

根管治療が必要なケース

  • 冷たいもの、熱いもので歯が痛む
  • 何もしていなくても激しく痛む
  • 咬み合わせたときに激しく痛む
  • 歯ぐきが腫れる
  • 歯ぐきを押すと痛む
  • 歯が浮いた感じがする

痛みを感じなくなった歯を放置するとどうなる?

虫歯ができてしばらく経つと、虫歯の部分が歯の内部にある歯髄という神経に届いて、そこに炎症が起こるために歯がズキズキと痛んできます。
ここで治療をせずに放置してしまうと、やがて歯髄は死んでしまいます。すると痛みはなくなりますが、歯髄は腐り、歯髄があった場所は細菌の住みかになってしまいます。歯の中の歯髄のある空間は歯の根っこの先から外へと繋がっていますので、増殖した細菌はそこから外へ出て、そのうち根の周りの組織を溶かしながら巣を大きくしていきます。つまり、痛みがなくなった=虫歯が治ったのではなく、抜歯を検討するほどの重度の虫歯になってしまった、ということなのです。

根管治療の流れ

根管治療は症状によって終わるまでの治療回数が変わってきますが、大体4~6回程度が目安となります。
患者さんにはほとんど目に見えない治療ですので、本当に良くなっているのか不安になることもあると思いますが、
被せ物を作るための基礎工事として大変重要な治療になります。

  • Step01
    虫歯の除去

    バーと呼ばれる治療機器を用いて、細菌に感染した部分を最小限削っていきます。その際、目視に加えてレントゲンや虫歯検知液を利用して慎重に虫歯の位置を確認します。

  • Step02
    神経の除去

    歯を削って、神経部分である歯髄を露出させます。その後、細菌に感染した歯髄を「ファイル」と呼ばれる器具で除去していくのが基本的な流れです。

  • Step03
    根管を拡大する

    次に神経が通っている根管を拡大します。根管は一人ひとり形状が異なり、細く曲がりくねっているのが特徴です。そのままだと十分に薬剤が入り込まないので、根管の外側の壁を削り、太くまっすぐ整えていきます。

  • Step04
    根の清掃・消毒、根管の充填

    根管内は複雑な形状をしているので、時間をかけて丁寧に細菌感染部位を取り除かなければいけません。少しでも根管に菌が残っていると再度炎症を起こすリスクが高まるため、洗浄・消毒を繰り返し、根を綺麗にしていきます。その後、根管内に薬剤を入れて隙間を塞いでいきます。

  • Step05
    歯の土台を設置

    最後に被せ物を被せる際に必要な土台を設置します。これは虫歯がある程度進行した時に必要な処置です。素材としては、メタルコア(銀合金製)やレジンコア(プラスチック製)を用います。

マイクロスコープを利用した根管治療

当院ではマイクロスコープという、歯科用の顕微鏡を使って根管治療を行っています。根管治療は緻密で繊細な作業を要求されますが、これを使用することで視野が大幅に拡大され、より正確性の高い、精密な治療が可能になります。歯髄が死んでしまった歯は脆くなっていますが、きちんとした根管治療により、歯としてまだまだ働くことができるようになります。また、根の先の病気があごの中で大きくなることを防ぎます。
肉眼では確認できない歯の根の治療だからこそ、根管治療ではマイクロスコープが活躍するのです。

根管治療の注意点

  • 根管は複雑な構造を持っているため、何回かに分けて治療を進めます。途中で治療を中断すると、より症状が悪化する恐れがあるので頑張って通院していただく必要があります。
  • 治療後、痛みや腫れが生じるケースがありますが一時的なものです。状況次第では痛み止めをお出しします。
  • 根管治療時、根が割れていると後からわかるケースがあります。その際は薬剤の充填などが出来ないので抜歯を検討する状況も考えられます。
  • 根管治療後は飲食を控えてください。根管に詰めたセメントが固まる約30分ほどです。
  • 治療中に固いものを噛むと、歯が欠けたり痛みが出たりする可能性があります。ご注意ください。

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